2013年2月12日火曜日

Special thanks

Special thanks to...レコードのジャケットやクレジットロールの下部にみつけることができるこのセンテンス。ここに名前が連なる人たちは、なんかカッコいいなぁと思う。その作品や物事に影ながら影響を与え支えになった人々がここで記される。

BROWN'S Cafe & Beans は...実は「コーヒー豆屋さん」ではない。コーヒーは売っているのだけれど、受け取って欲しいのはその先にある「コーヒーが誘ってくれる幸せな時間」。だからそのためにも、最高に幸せな1杯になる美味しいコーヒーを提供してゆきたいと思う。
そんな時間を提供したいために思いを込めてブレンドするのだが、そのための最高の豆の提供と焙煎を担ってくれるコーヒー問屋がある。

出会いは5年前に遡るが、美味しいコーヒー豆を扱うその店に、私は毎週末1日だけアルバイトに入った。当時、都内のコーヒーショップ数店舗にアルバイトさせてもらえないかとアプローチしたが、別の仕事を持ちながらのOLアルバイターに扉を開いてくれるお店はなかった。ところが、そのお店だけは "休まない" という条件付きでアルバイトのチャンスをくれた。しばらくしてだいぶ慣れてきたころ、勇気を出して "コーヒーをアレンジしてオリジナルをつくってみたい" と話しをした。そしてついには老舗のコーヒーを前にして "香料もつけてみたい..." と切り出してみた。
当然、二つ返事のOKはなかった。しかし数日後「それを飲んでみたい」とオーナーから連絡があった。私は店の豆を持ち帰りブレンド、半分には天然香料の着香をほどこし恐る恐るアレンジコーヒーをオーナーに持参した。老舗コーヒー問屋の美味しい豆に着香をするなどもちろんご法度。どんな回答が返るかとても恐怖だった。

「美味しいですね...いいと思います、やってみますか」

これがオーナーからの返事だった。
大きなチャンスをいただいた。

人生は、その時々に出会った人から様々なものことを与えてもらいながら進んでゆく。家族でも兄弟でもない人々からも。。しかし受け取りっぱなしではいけないのだ。人生半ばにくると、与えられるだけでは人生も地球も回らないことが分かってくる。だから与えられたら、それを大事に育み一回り大きくして相手に与えられる人でありたいと思う。

BROWN'Sの販売用コーヒーの裏には製造ラベルが貼られているが、ここにいつも目には見えない一行を入れている...「Special thanks to」の一行。
私は日々増えてゆくここに記される人々に感謝しながら、コーヒーをちゃんと淹れていきたいとおもう。✏t