2012年9月27日木曜日

Marché de YURAKUCHO

「有楽町であいましょう」という歌謡曲...1957年のヒットソング。父の世代の流行歌だったこの名曲は、当時の有楽町そごう(現在はビックカメラ)のCMソングとして作られたらしい。
その、まさに旧有楽町そごうの脇に位置する交通会館で開催されているマルシェで、私たちBROWN'Sはコーヒーを販売し始めた。

大学の学園祭の模擬店でもガールスカウトのバザーでもない。あたりまえだけど、商品をちゃんと作って、お金をいただいて販売している。

BROWN'Sはカフェを目指しているが、良い器(物件)と巡り合うまでは我々の豆をネットで販売して準備してゆこうというプランで進めていた。しかし、昨年からこの春にかけイベントとコラボレーションして豆を販売したことにも起因し、都内で開催されているマルシェにも参加してみようか...ということになった。

私は商人の家で生まれたわけでもなく、「いらっしゃいませ〜」と叫ぶのが得意でもない(笑)...カフェでゲストにコーヒーを淹れておもてなしするイメージは充分にもっているのだけど、はたしてものを販売する才能が私にあるのか??とても不安だった。

しかしその不安もうちけしてくれるくらい、いらしてくださる方々との出会いがものすごく面白い。ネットでBROWN'Sを知ってくださった方々が毎回少しづつ出向いてくださり「実際お会いしたくて...」「どんな方が作ってるのか興味があって...」といってくださると、少し恥ずかしい反面、その数倍ものすごく嬉しい。そんな方々と会話をしていると、売り上げの計算などもうどうでもよくなってしまう(笑)...それくらい、コーヒーを飲んでくださる方とのダイレクトな会話は貴重だし尊い時間になってきている。
BROWN'Sそれぞれが、今までの会社生活で体験したこのない新鮮な感覚がそこにある。

face to faceの豆販売はいつかカフェができるまでのことだけれど、足を運んでくださった方々が、なんかちょっと嬉しい気持ちになって帰途の足取りが軽やかになるような、そんな小さなおもてなしをしていきたいと思う。

♪ 有楽町であいましょう...♪


2012年9月18日火曜日

インテリア


子供の頃、自分には贔屓の野球チームもなければ、あこがれのスポーツ選手も居なかった。外で遊ぶ事は決して嫌いではなかったが、家の中で遊ぶことのほうがそれ以上に好きだった。やんちゃをするような明るく活発な子供でもなかったし、どちらかと言えば人より目立つことを避けていた。今で言う草食系男子のハシリみたいな少年だったと思う。小学校の頃から部屋の模様替えをするのが好きで、机の位置をちょこちょこ変えてはお気に入りのものを身の回りに並べ眺めていた。思えば当時からインテリアに興味があった。というよりも日常とは違う(違って見える)空間というものに強く魅かれていた。外では友達と一緒に基地を作り、いつもと違うその場所で皆が持ち寄ったおもちゃや本に囲まれジュースを飲んだりお菓子を食べたりした。家の中では布団やマットレスを積み上げて室をつくり、まるで“かまくら”よろしく懐中電灯とマンガを持ち込んでは弟とおやつを食べた。・・・こうやって記憶を並べて気がついたが、子供時代の僕は日常とは違う空間での食べたり飲んだりがとても好きだったみたいだ。大人になった今では外での食事が好きだし、旨い酒を出す雰囲気の良いバーの1つや2つは知っている。都内の繁華街であれば居心地が良く美味しい珈琲が飲めるカフェは大概頭に入っている。どこも値段の張る店ではないが、おいしい料理や飲みものとその空間や醸される雰囲気も特別な、日常を忘れさせてくれる良店だ。どうやら僕のなかで空間と飲食は切っても切れない結びつきがあるようだ。2年前引越を考えたとき、新しい部屋探しで最もこだわった条件は、「天井が高く、四角くて広い部屋」だった。そして古物好きの自分にとって古い物件ならなお良しということ。古い建物は不便も多いが、合理化された今のものにはないデザインや贅沢さが残っているからだ。そしてついに見つけたのが今の部屋である。不動産会社によって築50年を超えるビルのいちオフィスが住宅仕様へと(程良く)最低限のコンバージョンがかけられたあと、さらに自分のイメージに準えて図面を引き、少ない予算のなか、出来る限りの我が侭を尽くしたリノベーションをかけた。そう、インテリアのテーマは迷う事無く「食べものと飲みものが美味しい空間」である。


【写真をクリックで拡大表示されます】


今発売中の雑誌LiVES( Vol.65)「クリエイターの家と仕事場」という特集に拙宅が取りあげられた。
(住まいとしてだけでなく仕事や打ち合わせの場所としても使っている所謂SOHOなのです)
ご興味お持ち頂けた方は是非書店で立ち読みなさってみてください(笑)

(表紙写真も拙宅)







2012年9月15日土曜日

Où sont les toilettes ?

カフェやレストランを訪れた時、ちょっと楽しみにしていること。
それは「トイレ」を覗くこと。

私はトイレという空間が好き。そしてトイレはとても興味深い。

素敵なカフェやレストランは、きまってトイレがきれいである。そしてとても個性的。
どうでもいいように思われるトイレだけど、お店の個性が意外とでるのがココ。
真っ白なトイレもあれば、演劇のビラで壁が埋まるトイレ、アートのご案内満載なトイレ...

変な話、私はココでがっかりすると二度とそのお店にも足がむかない。。
5分も滞在しないその空間は、実はとても配慮のいるところ。訪れた人が、気合を入れ直したりリフレッシュする空間でもある。

いつかBROWN'Sがお店を持った時、私は「トイレ」をどうするか、密かに楽しみにしている。高価な装飾にしたり華美にしたりする、ということでなく、さりげなく...
いらしたお客様にはBROWN'Sのトイレでもとっておきの時間を過ごしてもらいたいと思っている(笑)
...1畳あるかないかの小さなギャラリーで。✏t

2012年9月5日水曜日

Coffee & Books & Things

コーヒーと本は切り離せない。
最近日本にも本屋とカフェが融合したお店が増えているが、そういうことなんだろう。
コーヒーとお気に入りの本、これに +「雨」があれば、最高の時間が過ごせ、いつのまにか日常と離れた世界に誘われる。

うちには3種類の「本」が存在する。楽譜・文庫・画集/写真集。最近、流行りの "断捨離" に習い、少し処分しよう...と試みて「本」の選別をしてみた。 "いらない本" と "いる本" を左右に分けることに決め、いざ選別!してみるが、"いる本" サイドがタワーのように積まれてしまう(笑)。

気に入った本というのは、どうしても捨てられない。月日を置いてまた読みたく(眺めたく)なったとき、直ぐ近くにいて欲しいと思う。本は不思議なもので、歳月をあけて読んでみると、以前と違った感じ方や感動がある。自分が変化してる...というか成長しているからだろうか...

雨の日の午後に、美味しいコーヒーをゆっくり淹れ、そうやって壁に収まっている本をその時の気分によって抜きとり、まったり開く時間はたまらない。
「今の時代、また読みたくなったら、ネットでもbookoffでも直ぐ買える」とも思うが、なんだかとても捨てられない。✏t